CEマーキング入門 : EU市場への製品展開ガイド

CEマーキング入門

CEマーキング入門 : EU市場への製品展開ガイド

*この記事は、2024年10月24日に更新されました。

今回は、「はじめて自社製品のCEマーキングを行いたい」という方向けに「CEマーキング入門 : EU市場への製品展開ガイド」というテーマで、欧州市場への製品展開の基本知識を詳しく解説します。

CEマーキングは、欧州経済圏内での製品販売に不可欠な製品安全制度であり、製造メーカーが対応しなければならない製品安全が網羅されています。

世界市場に向けて製品展開を行いたいと考えている企業のご担当者様から、CEマーキング入門として何を知っておくべきか?ということを質問されることが多いこともあり、今回のテーマはCEマーキング入門知識をご紹介致します。

<コンテンツ一覧>

 

1. CEマーキングの基本知識

「CEマーキングとは」という記事の中でも基礎的なことはご紹介しているのですが、まずは、CEマーキングとは何であり、どのような製品が対象かについてご説明していきたいと思います。

CEマーキングとは何か?

CEマーキングは、欧州EU加盟国が規定する製品安全に関する重要な法令です。

欧州の安全に対する考え方は、主に「製品の製造者(メーカー)」と「製品を使用する使用者(ユーザー)」の双方にとって重要であり、製品の安全基準遵守は、欧州市場へのパスポートとも言えます。

製品の製造者(メーカー)に対しては、安全な製品を設計/製造するように法律が定められており、これがCEマーキングなどの法令です。

一方で、製品の使用者(ユーザー)に対しては、労働安全衛生法などの観点から法律によって取り締まられております。

CEマーキングとは、その製品がEUの安全基準に適合していることを証明するマーク表示です。

CEマークが貼られた製品は、EU圏内の各国で自由流通することができます。

ときどきアメリカのULマークがあるからEUも問題ないと思われている方もおりますが、欧州EUのCEマーキングとULマークは全くの別物です。

たとえULマークが貼ってあったとしても、CEマークが貼り付けてなければ、EUの安全基準を満たしていないものと判断されます。

ULマークがあるからと安心することはできませんので、注意して下さい。

CEマーキングを行うためには、製造者が自らの責任の下で、CEマーキングの枠組みを構成する複数の該当法令を適切に選択し、該当する法令に適合していることを証明することが必要です。

 

CEマーキングの対象製品について

対象になる製品は、家電製品やパソコンなどの一般消費者向け製品から一般産業機械など、幅広い製品が対象になります。

CEマーキングを構成する法令は、2024年現在26種類あります。

詳しくは、関連コラム「CEマーキングとは」をご覧ください。

ほとんどの製品でCEマーキングが適用されることになりますが、CEマーキングでカバーされない製品は、自動車、飛行機/軍事/宇宙関連などの特定製品です。

これらの特定製品に対しては、CEマーキング法令とは別に定められてた法令が適用されます。

イーエムテクノロジーでは、お客様の製品がCEマーキングのどの指令に該当するのか、対象/非該当を含めて、調査等を行っております。

ご相談ごとがございましたら、お気軽にお声がけ下さい。

 

2. CEマーキングの重要性

次に、CEマーキングは、なぜ重要なのか?についてご説明致します。

CEマーキングに適合するということは、製品の自由流通という経済的なメリットだけでなく、EUの安全基準に適合している製品であることを客観的に示すことができます。

CEマークを貼り付けるということは、客観的に該当法令/規格に適合していることを示しますので、製造者責任の下で、その責務を果たしている製品であると捉えられます。

EU現地当局は、CEマーキングに対する不適合品の市場監視を行っており、不適合が発覚した場合は、罰則、製品回収などの措置が適用されます。

罰則対象になると、コンプライアンス違反として企業ブランドに傷がつくことになります。

製品の安全性、法律遵守に対する姿勢は、自社ブランドの信頼にも大きく関わってきますので、適用される法令や規格に適合していることは、非常に重要なポイントです。

 

3. 適用法令と整合規格

それでは、CEマーキングに適合するための具体的な法令、規格について、解説していきます。

お客様の製品によって、適用される法令が異なってきますが、下記表の中から該当する法令を選ばなければなりません。

 

規則及び指令の名称 法令番号
1. 玩具安全指令
(Safety of toys directive)
「2009/48/EC」
2. 可搬式圧力機器指令
(Transportable pressure equipment directive)

*CEマーキングでは取扱われません。
「2010/35/EU」
3. RoHS指令
(Restriction of hazardous substances in electrical and electronic equipment directive)
「2011/65/EU」
4. 建設製品規則(CPR)
(Construction products regulation)
「(EU)/305/2011」
5. 火工品指令
(Pyrotechnics directive)
「2013/29/EU」
6. レジャー用船舶指令
(Recreational craft directive)
「2013/53/EU」
7. 民間用爆発物指令
(Civil Explosives directive)
「2014/28/EU」
8. 簡易圧力容器指令
(Simple pressure vessels directive)
「2014/29/EU」
9. EMC指令(EMCD)
(Electromagnetic compatibility directive)
「2014/30/EU」
10. 非自動秤指令(NAWI)
(Non-automatic weighing instruments directive)
「2014/31/EU」
11. 計量器指令(MID)
(Measuring Instruments directive)
「2014/32/EU」
12. 昇降機(リフト)指令
(Lifts directive)
「2014/33/EU」
13. 防爆機器指令(ATEX)
(Equipment for potentially explosive atmospheres directive)
「2014/34/EU」
14. 無線機器指令(RED)
(Radio equipment directive)
「2014/53/EU」
15. 低電圧指令(LVD)
(Low voltage directive)
「2014/35/EU」
16. 圧力機器指令(PED)
(Pressure equipment directive)
「2014/68/EU」
17. 海洋機器指令(MED)
(Marine equipment directive)

*CEマーキングでは取扱われません。
「2014/90/EU」
18. ケーブルウェイ装置規則
(Cableway installations regulation)
「2016/424/EU」
19. 個人保護具規則(PPER)
(Personal protective equipment regulation
「2016/425/EU」
20. ガス器具規則(GAR)
(Gas appliances regulation)
「2016/426/EU」
21. 医療機器規則(MDR)
(Medical devices regulation)

*能動埋込医療機器指令 AIMDD(Active implantable medical devices directive)は、医療機器規則(MDR)に置き換えられました。
「2017/745/EU」
22. 体外診断用医療機器規則(IVDMD)
(In vitro diagnostic medical devices regulation)
「2017/746/EU」
23. EU堆肥製品規則(FPR)
(EU fertilising products regulation)
「2019/1009/EU」
24. ドローン - 無人航空機システムおよび第三国の無人航空機システム運用者に関する欧州委員会委任規則 「2019/945/EU」
25. バッテリー規則(BR)
(Battery regulation)
「2023/1542/EU」
26. 機械指令(MD) → 機械規則(MR)
(Machinery directive) → (Machinery Regulation)
「2006/42/EC」「2023/1230/EU」
27. エコデザイン指令
(Ecodesign of energy related products directive)
「2009/125/EC」

 

自社製品がどの法令に該当するのか?適切に判断するためには、専門的知識を要することが多く、難解な解釈になることもあります。

法令や製品によっては、自己宣言ではなく、認証機関による認証が必要になることもあります。

自社だけで判断するのではなく、知見のある専門家に解釈、アドバイスを得て文書化しておくことをお勧め致します。

または、コンサルティング会社や専門家に依頼して文書化してもらうとよいでしょう。

該当する法令が決定したら、次は、その該当法令の要求事項に対して、適合証明を行っていくことになります。

適合性証明の方法は、通常は、EU委員会から発行される整合規格を用いることが一般的です。

整合規格とは、その法令要求に対する適合性証明のために用いてもよいとされている公認された規格のことです。

整合規格リストは、法令毎に公表され、新しいリストに改訂されていきます。

 

4. 自己宣言と認証の違い

CEマーキングは、EUの安全基準を満たしていることを証明するマークになります。

はじめてCEマーキングに携わる方に、知っておいてもらいたいこととして、「自己宣言」と「認証」の違いについて、取り上げたいと思います。

簡単に要約すると、次のように表すことができます。

 

自己宣言とは、自社による主観的な主張であり、外部評価機関からの検証がない場合があります。

一方、認証とは、外部評価機関からの評価を受けて適合性確認を伴うもので、自社が行おうとしている自己宣言の内容を法令や規格に適合するように実現できているかどうかを確認するプロセスを指します。」

 

「自己宣言」と「認証」の違いについては、以下の参考記事もご覧下さい。

参考記事「CEマーキング 自己宣言と認証の違い」

 

自己宣言とは

「自己宣言」という用語は、EU法令の中では使用されておりませんが、利便性のために使われているワードになります。

EU法令の中では、製造者による「内部生産管理(Internal pdoduction control)」と表現されており、製造者自らが、設計/製造プロセス、品質管理を行うことで適合性を証明する方法になります。

自己宣言とは、主観的な自己評価に基づく自社の主張であり、適合信頼性に欠ける可能性を含んでいるものを指します。

CEマーキングの自己宣言は、その該当法令に対する技術的根拠となるエビデンスを含む技術文書を基に、適合性について宣言を行うものになります。

自己宣言にも次のような信頼性レベルがあります。

第一者(製造者のみ)による自己宣言

第二者(製造者とユーザー)による自己宣言

第三者(製造者、ユーザー、認証機関や評価会社などの第三者機関など)による自己宣言

 

この中では、第一者(自社のみ)や第二者(自社とユーザーだけ)の評価ではなく、自社とユーザー以外の第三者による評価を加えた自己宣言が一番、信頼性があることになります。

第三者とは、安全性評価に精通した認証機関やコンサルティング会社などを指します。

 

認証とは

「認証」と呼ばれるものは、例えば、欧州EU委員会から指定された認証機関から認証を受けることを指します。

欧州EU委員会から指定された認証機関は、通知機関「Notified Body」通称NBと呼ばれ、NBから認証を受けなければならない製品は、自己宣言は適用できません。

認証を受けるということは、製造者が自己宣言する内容、プロセスを認証機関に認証してもらうことになり、第三者目線でも納得できるしっかりとしたエビデンスを収集し、評価を受けて第三者認証機関に認証してもらうことです。

 

5. CEマーキングを行うための主なステップ

CEマーキングを行うための主なステップは、いくつありますが、はじめてCEマーキングに取り組まれる場合、業者選定、事前構造評価、対策内容の考案などのコンサル、本評価、適合証明という流れが一般的な流れになります。

CE適合性評価を受けて、CEマーキングへの適合証明を行うことになりますが、まずは事前構造評価を行って頂くのが良いと思います。

 

CEマーキングの主なステップ(業者選定→事前構造評価(プリチェック)→対策内容の考案→本評価→適合証明)

 

業者選定

製造者が最初に行う重要なステップの一つが、第三者評価機関の選定です。

第三者評価の業者選定によって、評価内容も費用感もかかる期間などの全てが決まるといってもよいほど、重要なポイントになります。

自社の状況を考慮し、慎重に検討することをおすすめ致します。

第三者評価をどの会社に任せればよいのか?について検索すると、CEマーキング評価支援を行っている会社は多く存在し、どこを選定のポイントにすればよいか?よくわからないと思います。

その会社の評価能力、専業性、業界経験、専門資格、組織基準、保有設備、スケジュールの柔軟性、価格、品質基準など、様々な点が挙げられますが、お客様にとって有益なサポートを受けるための適切なコンサルティング会社を選ぶポイントを説明致します。

 

認証機関とコンサルティング会社

まず最初に、認証機関で行うのか?コンサルティング会社で行うのか?を決めなければなりません。

認証機関とコンサルティング会社の選定では、それぞれの役割と特徴を理解することが重要です。

認証機関で行う場合、規格評価の合否結果は教えてもらえますが、認証機関は独立した中立的な立場で評価を行うことが主旨であるため、どのようにすれば適合できるのか?などのコンサルティングを行うことは禁止されております。

このため、認証機関審査員から具体的な対策内容の提案、適合するためのアドバイスなどを受けることはできません。

認証機関がこれに違反した場合は、認証審査機関としての資格を失うことになります。

認証機関は中立な立場で、合否のみを判定することは可能ですが、なぜ不適合なのか?どう対策すれば適合するようにできるのか?などのアドバイスは行なっておりません。

なぜ不適合なのか?どのように対策すれば適合した製品にできるのか?などについては、コンサル会社からコンサルティングを受けて具体的なアドバイス、落としどころを決定していくことが良いでしょう。

コンサルティング会社で行う場合、規格評価に対して認証を受けることはできませんが、どのようにすれば適合できるのかについて具体的な対策案を提案してもらうことが可能です。

CEマーキングのコンサルティング会社は多く存在しております。

業務のカスタマイズ性が高く、サポート内容も評価内容も価格帯もピンキリなイメージです。

そのような中でも、お客様が適切な業者を選べるように、業者選定のポイントを挙げておきます。

 

適切な業者選定を行うために

コンサルティング会社を選ぶときは、次のようなことに注意して選定するとよいかと思います。

1. 評価能力と専門性があること

  • そのコンサルティング会社に評価能力はあるのか?
  • 専門家としてふさわしい資格を所有しているか?
  • 認証機関からアドバイザーとしての資格を受けているか?
  • 専業のコンサルティング会社(エンジニアリング会社)であること
  • コーディネーターという本来必要ではない役割を果たしている間接業者や、外部機関や社外エンジニアとの提携を売りにしている単なる仲介業者も存在しております。

    また、製造業者が自社の経験のみで、片手間にコンサルティング業を行なっている場合もあります。

    お客様のご要望に沿った適切なコンサルティング会社を選ぶためにも、ご注意下さい。

     

    2. 適格な評価/試験エンジニアがいること

  • 経験豊富な評価エンジニアが在籍しているかどうか?
  • 複数の評価エンジニア、試験エンジニアで構成されているか?
  • 一人だけしか評価者がいない場合、一人よがりの主観的判断になってしまうことがあります。

    それが適切かどうかを判断するためにも、セカンド、サードオピニオンを受けられるように複数の評価者をチームに入れて行われる体制を持つ会社がよいと思います。

     

    3. 会社体制

  • 一人親方の会社、個人事業主といった個人コンサルの場合、数年経過後に廃業しているリスクも考慮すべきです。
  • 試験機材を一式保有しているか?
  • そのコンサル会社から試験業務を外部に委託している場合、試験機材のレンタル、確保など、その調整に手間が発生します。

  • スケジュールの柔軟性はあるか?
  • 仲介業者である場合、外注先と調整しなければならないなど、多くの点で手間が発生します。

    当たり前のことかもしれませんが、手間が発生するとそれに対する費用が発生します。

     

    これらを総合的に判断して業者選定を行って頂けるとよいかと思います。

    イーエムテクノロジーでは、少しでもお客様に貢献できるように、これらの問題点をカバーできるように、努力を行っております。

    疑問点等ございましたら、お気軽にお声がけください。

     

    事前構造評価(プリチェック)

    評価業者が決まったら、まずは事前構造評価(プリチェック)を受けることをおすすめ致します。

    事前構造評価(プリチェック)とは、例えば、日本国内向け製品や類似製品をベースにして、製品構造が規格要求に適合するためにはどのようにしなければならないのか?などの問題点、課題の洗い出しを行います。

    事前構造評価は、プリチェック、ギャップ分析など、と様々な呼び方がありますが実施する内容は同じかと思います。

    イーエムテクノロジーでは、事前構造評価の前後で、評価エンジニア、試験エンジニア、プロジェクトマネージャーといった関係者が集まり、お客様から頂いた内容を基に、社内技術ミーティングを行なっております。

     

    対策内容の考案

    適合するために洗い出された課題に対し、具体的な対策内容について考案していくことになります。

    どのような対策がふさわしいのか?を考え、適合するために必要な対策を製品設計に盛り込んでいきます。

    イーエムテクノロジーでは、お客様の抱える問題に対し、複数のエンジニアの目線で、様々な過去事例を参考に、適切な対策であるかどうか?技術セッションを行い、具体的な提案を行うように心がけております。

     

    本評価

    製品実機が完成したら、本評価になります。

    本評価とは、法令/規格に対する適合性評価のことです。

    主に、規格要求に対する製品評価と試験の実施になります。

    評価とは、製品構造が法令/規格要求に対して、満足しているかどうかを一つずつ確認していくものです。

    試験とは、例えば、電気試験やEMC試験の実施です。

    正式な適合性評価を受けるということは、製品が規格要求に適合していることを証明するものになりますので、この段階では不適合項目がないようにしておかなければなりません。

    評価/試験結果は、レポートにまとめられます。

     

    適合証明

    適合のためのエビデンスは、技術文書としてまとめなければなりません。

    技術文書には、作成しなければならない資料、収集しておかなければならない資料が一式まとめられます。

    客観的にわかりやすい技術文書の構築が必要です。

    最終的に、EU適合宣言書を作成します。

     

    6. イーエムテクノロジーのCEマーキングコンサルティング実績

    イーエムテクノロジーは、これまでに多くのCEマーキングに関するコンサルティング実績を積み重ねてきました。

    評価に携わってきた製品例を挙げますと、一般産業機械、生産ライン設備、プラント工場全体と各設備、情報処理機器、計測機器など、幅広い分野の製品に対して支援を行ってきました。

    イーエムテクノロジーの技術サービスは、リスクアセスメントの実施、事前構造評価、適合評価や試験、技術文書の作成など、製品設計から製造、出荷段階に至るまで、プロジェクト全体を一貫してサポートするものです。

    特に、お客様の納入先であるユーザー様に受け入れてもらえるように、CEマーキング適合性評価についての技術資料を特別に作成し、提供する場合もございます。

    このような特別なケースも含み、お客様のご要望に沿った対応も行っておりますので、CEマーキングのプロジェクトをスムーズに進めることができます。

    イーエムテクノロジーでは、お客様の要望に合わせて柔軟に対応することを重視しており、あらゆる段階でのサポートを提供しています。

    新製品の上市、既存製品の改造による評価、法規制の改訂への対応など、様々なコンサルティングを行っております。

    また、業界の最新動向と法規制の変更に、常に精通しており、お客様の迅速な上市が実現できるようにサポートしています。

    これらの取り組みにより、お客様がグローバル市場での競争力を維持し、成功を収められるように信頼できるパートナーとして日々努めております。

    7. CEマーキングの最新情報、動向

    CEマーキングに関する法令、規格は、時代と共に改訂され変更されることがあります。

    例えば、CEマーキング制度の大きな法的枠組みの変更としては、2010年に、ニューアプローチ制度からNLF(New Legislative Framework)という法制度に変更され、現在も運用されております。

    最近の動向では、機械指令(2006/42/EC)から機械規則(2023/1230/EU)に変更されます。

    機械規則への変更については、こちらの記事「機械指令(2006/42/EC)から機械規則(2023/1230/EU)へ」をご覧下さい。

    また、最近では、急速にIoTやAI、サイバーセキュリティについても普及してきており、それに合わせて法整備も進んできております。

    例えば、NIS2指令(改正ネットワーク通信システム指令)が2024年10月18日より施行されます。

    これに合わせて、現在、サイバーレジリエンス法(案)も法制定プロセスが進行中です。

    サイバーレジリエンス法が制定された場合、CEマーキングの枠組みにも入ってくることが予想されます。

    このように、最新動向にも注視していくことも必要になります。

    このあたりの動向調査については、専門的な知識やノウハウが必要になるため、定期的に認証機関やコンサル会社などの専門機関から情報を得るようにアンテナを張っておきたいところです。

    8. FAQ (よくある質問)

    Q1: CEマーキングなしでEUに輸出できるケースはありますか?
    A1: CEマーキングなしでEUに輸出できるケースは、レアなケースになるかもしれませんが、例えば、第三国の製造業者からEU域内の法定代理人に移管され、製造者が代理人に製品の指令への準拠を確保している場合が挙げられます。
    Q2: どのような製品が、CEマーキングなしでEUに輸出できますか?
    A2: 該当する法令は、製品によって異なります。複数あるCEマーキング法令に該当しない場合は、CEマーキングの枠組みから外れますので、CEマークなしで出荷することができます。しかし、専門的な問題になるため、専門機関に確認することをおすすめします。
    Q3: EU域内で設立された法定代理人の在庫品であり、まだ市場で入手できない製品であれば、CEマーキングなしで輸出できますか?
    A3: 製造業者の在庫またはEU域内で設立された法定代理人の在庫で、かつまだ市場で入手可能ではない段階ではCEマークの義務はありませんが、上市され、ユーザーが利用可能となる時点でCEマーキング適合の義務が発生します。
    Q4: 製品にCEマークを表示することの必要性は何ですか?
    A4: EU市場に販売する製品は、該当するEU指令の要求事項に適合する必要があります。CEマーキング制度の中で、CEマーク表示は、製品がこれらの要求事項に適合していることを示すものです。
    Q5: CEマーク表示は強制されていますか?
    A5: はい、EU指令の対象品にはCEマーク表示が強制されており、違反が発覚した場合には罰則が課されます。

    9. イーエムテクノロジーのサービス

    プロジェクトとして一貫して受けることが多いのですが、上記に挙げた「事前構造評価」、「対策内容の検討」、「本評価/試験の実施」、「技術文書作成」について、お客様の状況に応じたコンサルティングサービスを提供しております。

    経験豊富なエンジニアたちが、過去事例も含め、プロジェクトを進めて参りますので、お客様のスケジュールに合わせて進めることが可能です。

    はじめてCEマーキングに取り組まれるお客様向けに、わかりやすい資料も準備しており、初歩的なところから説明も行っておりますので、一度コンサルティングを受けて頂ければ、ある程度は理解しながら進めることが可能だと思います。

    また、CEマーキングの考え方から製品安全に対する取り組みを知って頂き、社内品質基準を見直して頂いたり、新たに作成して頂くことも可能です。

    社内ノウハウの蓄積として有益なことも多くございます。

    イーエムテクノロジーの社員一同、お客様の立場に立ち、プロジェクトを進めておりますので、ご不明な点等ございましたら、お気軽にお声がけ下さい。

    お客様皆様とお会いできる機会を楽しみにしております。

     

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    【イーエムテクノロジー株式会社 技術部】

     

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