CEマーク 機械指令における「組み込み宣言」とは?
以前のコラムで、欧州機械指令(Machinery Directive)にて設けられている「組込宣言(Declaration of Incorporation)」について、ご紹介をさせて頂きました。
(過去の関連コラムは下記をご覧ください。)
組込宣言のCEマーク表示について
今回は、「組込宣言(Declaration of Incorporation)」における重要な注意点をご紹介させて頂きたいと思います。
まず、結論から申し上げますと、欧州機械指令(Machinery Directive)に基づく「組込宣言(Declaration of Incorporation)」を行った機械には、機械指令への適合を示すCEマークを貼り付ける事は出来ません。
以前のコラムでもご紹介させて頂きましたが、「部分的に完成された機械(Partly completed machinery)」につきましては、欧州機械指令(machinery Directive)の第2条において、以下の様に定義されています。
<機械指令 第2条 (g) 「部分的に完成された機械」について>
「部分的に完成した機械」とは、概ね機械である組立品(アセンブリ)であり、それ自体では特定用途を実施出来ないものである。
(エンジン等の)駆動システムは、部分的に完成した機械である。
部分的に完成した機械は、他の機械又は他の部分的に完成した機械又は装置内に組み込まれるか、それらとアセンブリされる事のみを意図している。
それにより、機械指令が適用される機械を形成する。
この内容をご覧頂くとおわかり頂けますように、部分的に完成した機械は、完成品ではない機械(machinery)という扱いとなるため、欧州機械指令(Machinery Directive)に適合しているとは見なされません。
部分的に完成された機械では、組込宣言によるEU適合宣言は行いますが、CEマークを貼り付けることはできないということになります。
そして、前回ご紹介致しました「組込宣言」による以下の手順を遵守することにより、市場に出す(上市する)ことが可能となります。
<機械指令 第13条 「部分的に完成した機械」に関する手順>
部分的に完成した機械に関する手順
1. 部分的に完成した機械の製造者又は代理人は、機械を市場に置く前に、以下を確実に実施すること。
(a) 付属書Ⅶ、パートBに定める関連技術文書(TCF)を準備する
(b) 付属書Ⅵに定められる組立指示書を作成する
(c) 付属書Ⅱ、パート1、Bに定められる組込宣言書を作成する
2. 組立指示書及び組込宣言書は、部分的に完成した機械が最終機械の中で組み込まれるまでそれに伴われるものとし、また、最終機械のテクニカルファイルの一部を形成するものとする。
部分的に完成した機械について、一般的な機械との評価方法の違いをご説明してきましたが、実際に自社製品が機械、または部分的に完成した機械のどちらに該当するのか、他の指令ではどうなのか?など、判断に困るケースがあります。
CEマーキングについて、ご不明なことがございましたら、お気軽に当社までお問合せ頂ければと思います。
これまでの経験や知見を基に、お客様のサポートをさせて頂きますので、お気軽にお声掛けください。
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