CEマーク対応の制御盤について
*この記事は、2021年11月01日に書かれた記事です。
欧州CEマーキングの機械指令や低電圧指令などに該当する製品において、機械や電気機器を制御するための制御盤を含む場合のCEマーク対応についてご紹介します。
制御盤に適用される規格として、EN IEC 61439シリーズや制御盤を含む製品に適用される規格EN60204-1、EN61010-1といった規格がありますが、今回はEN60204-1、EN61010-1への適合性について取り上げたいと思います。
このような制御盤を含んだ製品では、機械製品の電気装置に関する規格EN60204-1や、検査設備、計測装置の電気機器の安全性を規定しているEN61010-1といった規格が代表的に挙げられます。
機械指令の適用対象になる機械製品では、電気安全の規格としてEN60204-1が用いられることが多いです。
また、EVバッテリーの充放電装置の検査機器などの計測用途を主機能とし、機械指令または低電圧指令を適用するような製品の電気安全規格としてEN61010-1を適用することがあります。
どちらの規格でも制御盤の筐体やその電気構造、電気試験として規格の要求がありますが、規格要求事項はそれぞれ異なっておりますので、どの指令に該当するのかを含め、どの規格を適用するのかによって、制御盤設計に大きく影響してきます。
製品設計が完了してから適合を目指すことになると、規格要求に対する重欠点が製造後に見つかり、手直しをしなければならないといった大幅な設計変更を強いられることもありますので、CE対応には、できるだけ初期段階で対応することが望ましいとされております。
製造後に製品構造を大きく変更しなければならないということになると、対応できる条件が限られてきますので、できるだけ設計初期段階から、規格要求に適合できる設計を行っておくことをオススメ致します。
EN60204-1で要求される制御盤とは?
機械の電気装置に関するEN60204-1という規格では、制御盤内の電気装置について、配置や線色、装置の保護、アースなど細かい規定があります。
この規格は、IEC60204-1という国際規格をルーツに、欧州を含め、世界各国で取り入れられた規格であり、欧州ではEN60204-1、日本ではJIS B 9960-1というように採用された規格です。
多くの機械製品で適用されている電気装置に関する規格であり、機械指令では、2021年10月3日に規格年号が2018年版に更新されています。
EN60204-1の規格改訂についてはこちらの記事「EN60204-1:2018 規格改訂について」をご覧下さい。
EN60204-1では、制御盤の筐体だけでなく、制御盤内外の安全性について設計・製造の面から考えられるべき要求事項が定められております。
EN60204-1の要求は、大きく分けて、「構造評価」に関する事項と「試験による検証」の2つで構成されております。
EN61010-1で要求される制御盤とは?
EN61010-1では、「測定用、制御用及び試験室用電気機器の安全性」について定められた規格で、測定用途で使用される製品や工業プロセス制御用電気機器といった製品に適用されます。
EN61010-1でもEN60204-1と同様に、IEC61010-1という国際規格にそのルーツを持ち、主に「構造評価」と「試験」の2つが要求されます。
EN61010-1は、低電圧指令や機械指令で用いられる規格で、主に故障や感電に対する保護、機械的危険源に対する保護、温度保護などが定められております。
規格対応するためのサービス
イーエムテクノロジーでは、これら「構造評価」、「試験」に対応した構造評価コンサルティングサービス、試験サービスを行っております。
構造評価サービスでは、製品構造に対する規格要求の解説だけでなく、適合するための設計、製造に対する対策案を含めて技術サービスを行っております。
試験サービスでは、試験機材を一式保有しており、経験豊富な試験エンジニアが試験を実施しております。
他社との違いとしては、イーエムテクノロジーでは構造評価、試験を含め、複数の経験豊富なエンジニアによる視点で規格適合について対応していることです。
1人だけのエンジニアに頼った評価では、規格解釈やその対応について、評価エンジニアの個人的な意見が強く反映されてしまい、それが本当に正しいのかどうかを判断することが難しいケースが多々あります。
規格要求によってはグレーな点が多々あり、その落としどころが本当に正しいのかどうか、お客様にとって最良の選択であるのか、イーエムテクノロジーでは複数のエンジニアの視点を入れることによってセカンドオピニオン、サードオピニオンといった手間を惜しみなく入れております。
イーエムテクノロジーでは、CEマーキングに対応するために必要となる技術サービス一式を行っておりますが、お客様のご迷惑とならないように、しつこい営業電話等は行っておりませんので、ご相談ごとがございましたら、お気軽にご連絡頂ければと思っております。
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