3ステップメソッド ステップ3 「使用上の情報」
リスク低減を行うための3ステップメソッドの最後のステップになる「使用上の情報」について、ご紹介させて頂きます。
使用上の情報とは、取扱説明書や使用上の注意、メンテンナスマニュアル等の製品文書、警告ラベル、銘板などの表示のことを指しています。
皆さんもご存知のとおりですが、機械の設計になくてはならないものであり、文章、語句、標識、記号や図表を用いて製品ユーザーに情報を伝えるために必要なものです。
また、視覚信号(例えば、表示灯)や、聴覚信号(例えば、サイレン音)といった緊迫した危険事象の警告についても、この使用上の情報に該当します。
ISO 12100では、安全に使用するための明確な表示や、取扱説明書に記載されなければならない事項、リスクアセスメントやリスク低減のための情報を含み、様々な要求が記載されております。
例えば、こんな警告ラベルにしていませんか?
機械に表示されるラベルは、消えにくい、シールなら剥がしにくい等、恒久的に判読することができるようになっていなければなりません。
そして、警告ラベルでは、ただ単に「危険」と書かれたラベルではダメです。
危険という表示だけでは、どのようなものに気を付けなければならないのか?理解しにくいためです。
警告文を記載する際は、シンプルかつ明確に危険事象が理解できるように記載されるように注意しなければなりません。
機械の機能部分について、直ちに理解することができる、曖昧な表現になっていないということが大切です。
また、警告文を記載するよりも、直感的に理解できる標識(絵文字)のほうが、警告文よりも優先されます。
標識(絵文字)については、公認の規格に準拠することが求められています。
使用上の情報を含んだ適切なマニュアルの作成
使用上の情報については、様々な規格でが発行されておりますが、以下にご紹介します「適切なマニュアル作成のための代表的な規格」があります。
IEC 82079-1 Ed. 1.0 / EN 82079-1:2012
Preparation of instructions for use - Structuring, content and presentation - Part 1: General principles and detailed requirements
使用説明の作成-構成,内容及び表示方法 -第1部:一般原則及び詳細要求事項
この規格は機械指令の製造規格リストには含まれていませんが、様々な製品規格において、マニュアル作成時の参照規格として、記載されている規格になります。
例えば、産業機械の電気安全規格である(EN) IEC 60204-1においても、この規格はマニュアルの条項で参照されています。
IEC 82079-1では、取扱説明書(マニュアル)作成の指針について、主に規定されており、目次や各項目の書き方、フォントサイズ他、マニュアル作成時の具体的な注意点が記載されています。
使用上の情報は、機械を使用する人がその情報を正しく理解しなければ意味を成しません。
適切な規格に基づき、マニュアルや表示及び視覚信号や聴覚信号を用いる必要があります。
弊社では、規格要求を満たすための取扱説明書への記載や技術翻訳についても、サービスを行っております。
マニュアル作成支援や翻訳について、ご相談ごとがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
関連ページ 3ステップメソッド ステップ1「本質的安全設計方策」
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