CEマーキングに適合した製品を設計変更した場合、どうすればいいの?
CEマーキングに適合した製品の品質維持管理は、製造者の義務となっております。
自己宣言(モジュールAの製造者による「内部生産管理」)で適合証明を行ったCEマーキング対応製品を継続生産する場合は、製造者責任の下でCEマーキング適合品を維持管理していかなければなりません。
例えば、採用している部品が廃番となってしまい設計変更が必要となった場合や、顧客要求で筐体構造を変更しなければならない、など様々な理由がありますが、すでにCEマーキングに適合した製品を設計変更する場合は、適合性評価についても必要に応じて見直さなければなりません。
全ての評価をやり直す必要はあるの?
設計変更の内容にもよりますが、全ての評価試験をやり直す必要がある場合もありますし、一部の評価/試験のみをやり直す場合もあります。
ブルーガイドでは、「製造者は、関連するEU整合法令で定められた法的要求事項に従って、製品を設計/製造し、EU整合法令で定められた手続きに従い、適合性評価を実施する責任を負う」とあります。
また、例えば、EMC指令においても「生産された機器の本指令への適合を維持する手順があることを確実にすること。機器の設計や特性の変更、整合規格などの変更を適切に考慮すること。」と記載されており、各指令原文でも同じように、CEマーキングの適合性を維持管理していくのは、製造者自身です。
本来、CEマーキングは個々の製品に対して適合性を証明するものですので、設計変更することにより、適合性に影響を及ぼす懸念がある場合は、再評価/再試験の実施が必要となります。
変更内容にもよりますが、全ての評価/試験を行うのか?または、一部の評価/試験項目のみとするのか?について、判断するのは、製造者の責任下で行わなければならないことになります。
設計変更した場合は、TCF/TDの改訂を忘れずに
産業機械装置の場合は、顧客からの要求で構造を変更しなければならない、機能を追加してほしいといった設計変更や、小型製品では、1608サイズのコンデンサが廃番になるので1005サイズに置き換えたい、採用部品が廃番になるので、同等性能を持つメーカー違いの代替品に置き換えたい、などの様々な理由により、設計変更が生じることかと思います。
ケースバイケースで対応しなければならないこともありますが、変更内容に対して、その都度、技術ジャッジを行い、技術文書(TCF/TD)を改訂していく必要があります。
リスクアセスメントを含めて、どのようなプロセスを経て、再評価/試験について判断したのか、というエビデンスを第三者から見てもわかるように、技術文書(TD/TCF)を改訂していく必要があります。
このような設計変更に伴う再評価/再試験における技術文書の改訂や、お客様社内における技術プロセスの確立などの技術サービスを行っておりますので、お気軽にご相談下さい。
関連ページ「CEマークの技術文書(テクニカルファイル)TD,TCF」