ISO 13849-1 パフォーマンスレベル(PL)とは

ISO 13849-1 パフォーマンスレベル(PL)とは

 

ISO 13849-1 パフォーマンスレベル(PL)とは

*この記事は、2023年05月04日に書かれた記事です。

欧州CEマーキングの機械指令などの機械安全を進めていく中で、パフォーマンスレベル(PL)に対応した設計を行なってほしいと言われている、客先ユーザーからパフォーマンスレベルPL=dで構築した製品を要求されているが何をすればよいのかわからないなど、いろいろとご相談を頂きます。

今回は、パフォーマンスレベルとは何なのか?ISO13849-1で要求されるパフォーマンスレベル(PL)について、ご紹介します。

 

<コンテンツ一覧>

 

1. ISO13849規格について

パフォーマンスレベルとは何なのか?を説明する前に、パフォーマンスレベルという用語を扱う規格ISO13849について見ていきましょう。

パフォーマンスレベルは、ISO13849という規格で定められています。

ISO13849規格はシリーズ規格であり、ISO13849-1とISO13849-2の2つの規格から構成されています。

ISO13849シリーズ規格
規格番号 タイトル
ISO13849-1 機械類の安全性-制御システムの安全関連部-第1部 設計のための一般原則
Safety of machinery - Safety-related parts of control systems - Part 1: General principles for design
ISO13849-2 機械類の安全性-制御システムの安全関連部-第2部 妥当性確認
Safety of machinery - Safety-related parts of control systems - Part 2: Validation

ISO13849-1では、主に、安全回路の設計に関する規定があり、どのような安全回路を構築しなければならないのか?について、詳細が記載されています。

一方、ISO13849-2では、-1で構築された安全回路に対して、その妥当性の検証方法について規定されています。

2. パフォーマンスレベル(PL)とは?

パフォーマンスレベル(PL)とは、リスクアセスメントを行っていく中で、安全回路によるリスク低減策を採用する場合にのみ、関係してくるものになります。

例えば、温度がある温度まで上昇してしまったら電源を遮断する、センサーが反応したら空圧バルブを遮断する、などの安全回路の構築を行おうとする場合に限り、パフォーマンスレベルというものが要求されることになります。

要求パフォーマンスレベル(PLr)とパフォーマンスレベル(PL)

まず、リスクアセスメントの中で、その危険事象は、高リスクなのか?低リスクなのか?リスク評価を行ないます。

そして、そのリスクに対して構築する安全回路によりリスク低減を図ろうとする場合、構築する安全回路には、そのリスクの高さに応じて要求パフォーマンスレベル(PLr)が決定されます。

要求パフォーマンスレベル(PLr)は、a~eまで、5段階あります。

低リスクの場合はPLr=aから、高リスクの場合はPLr=eまで、5段階のレベルが決められており、そのリスクの高さに応じて、要求されるパフォーマンスレベルが違ってきます。

要求パフォーマンスレベル(PLr)の決定について

その危険事象が、低リスクの場合、例えばPLr=aでは、最悪、構築した安全回路が働かなくても、低リスクだから問題ないということから、低いパフォーマンスレベルでよいかもしれません。

しかし、高リスクの場合、例えばPLr=eでは、必ず安全回路が働かなければ、死亡事故につながるなどのリスクがあるため、高いパフォーマンスレベルが必要であるといった考え方になります。

PL計算とは、この要求パフォーマンスレベル(PLr)を達成するための安全回路の構築ができているかどうか、達成できるパフォーマンスレベル(PL)が要求パフォーマンスレベル(PLr)を満たしているかどうか?について評価することを指しています。

ISO13849-1では、要求パフォーマンスレベル(PLr)とパフォーマンスレベル(PL)は、次のように定義されています。

ISO13849-1で規定されている用語の定義
用語 内容
要求パフォーマンスレベル(PLr) 安全機能の各々に対し、要求されるリスク低減を達成するために適用されるパフォーマンスレベル(PL)
パフォーマンスレベル(PL) 予見可能な条件下で安全機能を実行するための制御システムの安全関連部の能力を規定するために用いられる区分レベル

パフォーマンスレベルとは、制御システムに頼って安全回路でリスク低減を図ろうとする場合に、その安全回路の能力(故障を含めた信頼性など)について規定された区分のことです。

安全回路を構築してリスク低減を行うといった手段を採用した場合は、ISO13849-1に従って、要求パフォーマンスレベル(PLr)を満たすパフォーマンスレベル(PL)で安全回路を構築しなければならないということになります。

 

3. イーエムテクノロジーのサービス

イーエムテクノロジーでは、どのようにPL計算を行っていけばよいのか?構築した安全回路が要求されたPLに合っているかどうか確認してほしい、PL計算書/評価レポートを作成してほしいなど、ISO13849-1/-2に関連する様々な技術サービスを行っております。

お客様のご要望に応じた技術サービスを提供しております。

イーエムテクノロジーには、複数の機械エンジニアが社員として在籍しています。

お客様のご要望に応えられるように、設計/製造段階から、様々なサポートをさせて頂いております。

イーエムテクノロジーでは、お客様のご迷惑になるような、しつこい営業電話、メール等は一切行っておりません。

ご相談、お見積りは無料ですので、お気軽にお声がけください。

 

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