産業機械のEMC試験 EN IEC 61000-6-2(工業環境におけるイミュニティ規格)

産業機械のEMC試験 EN IEC 61000-6-2(工業環境におけるイミュニティ規格)

産業機械のEMC試験 EN IEC 61000-6-2(工業環境におけるイミュニティ規格)

*この記事は、2024年09月09日に公開された記事です。

一般産業機械から産業機器全般に広く適用される「EN IEC 61000-6-2 電磁両立性−第6-2部:共通規格− 工業環境におけるイミュニティ規格」についてご紹介致します。

 

<コンテンツ一覧>

 

1. 共通(一般)規格とは

EN IEC 61000-6-2は、産業機械や産業機械に組み込まれる一般産業機器など、幅広い製品分野に適用できるEMCにおける電磁ノイズに対する耐性であるイミュニティ試験を定めた規格です。

本規格は、EMC規格体系において、共通(一般)規格に該当します。

自社製品に該当する個別規格や製品カテゴリー規格がない場合に優先されるのが、共通(一般)規格です。

共通(一般)規格は、「住宅、商業、軽工業環境におけるイミュニティ規格」と「工業環境におけるイミュニティ規格」の2つに分けられております。

どちらに該当するのかは、製品の使用環境と規格内容を確認して判断しなければなりません。

 

2. EN IEC 61000-6-2とは

国際規格であるIEC規格として制定され、欧州EN、日本ではJIS規格でも採用されています。

製品が使用される一般的な工業環境において発生する電磁妨害(例えば、静電気放電、雷サージ、無線周波数による電磁ノイズなど)に対する機器の電磁ノイズ耐性について、規定しています。

この規格は、EMC試験のイミュニティ試験を定めており、製品外部から与えられえる電磁ノイズにより機器が誤動作しないかどうかを確認する試験について定められています。

製造者は、対象となる製品が、工業環境で発生し得る模擬された電磁ノイズ試験により、正常動作するために必要なイミュニティ耐性を確認しなければなりません。

この規格への適合を試験により証明することで、製品が工業環境に置いて発生するであろう電磁ノイズに対する耐性、信頼性の高い機器であることを証明するために用いられる規格です。

 

3. EN IEC 61000-6-2の主な内容

EN IEC 61000-6-2は、下記のように構成されております。

  • 序文
  1. 適用範囲
  2. 引用規格
  3. 用語及び定義
  4. 性能判定基準
  5. 試験中の条件
  6. 製品文書
  7. 適用方法
  8. 測定の不確かさ
  9. イミュニティ試験要求事項
  • 付属書A 製品規格作成委員会へのガイダンス

 

第9項「イミュニティ試験要求事項」では、具体的に試験レベルについて定められております。

第9項では、各イミュニティ試験レベルや試験条件などが規定されておりますが、具体的な試験方法については、参照規格(IEC 61000-4シリーズ)に定められております。

試験中の動作条件については、第5項「試験中の条件」、製品の試験判定レベルについては、第4項「性能判定基準」に定められております。

これら規格条件に従って、試験を実施しなければなりません。

また、試験結果はテストレポートにまとめて文書化しておかなければなりません。

イミュニティ試験の結果、必要に応じて、第6項「製品文書」にあるように、取扱説明書への記載も必要となる場合があります。

 

4. 大型機械のイミュニティ試験

EMC試験

機械装置に本規格を適用する場合は、機械サイズが大きい、特殊な機器/装置が必要である(排気、水などを使用する)、電流容量などの問題から試験サイト(電波暗室など)で試験を行うことができないため、オンサイトEMC試験として行う必要があります。

オンサイトEMC試験は、製造者の製造現場で行うEMC試験のことです。

オンサイトEMC試験は、製造現場を試験サイトとしてみなして実施されるものです。

試験レベルや判定基準は、試験サイトと同様に扱いますのが、試験サイトと同一の環境を完全に再現することができないため、規格に完全に準拠するのではなく、それに準じた試験となります。

また、必要に応じて、試験依頼者は第三者認証機関から試験結果に基づく適合証明書を取得することも可能です。

 

小型装置のイミュニティ試験

EMC試験の電波暗室

製品サイズが卓上サイズであるなどの小型製品である場合は、試験サイト(電波暗室)でEMC試験を行うのが一般的です。

試験サイトで試験を行う場合、大型機械装置などのオンサイト試験よりも詳細にEMC試験を実施することが可能となり、規格への完全適合を証明するための試験になります。

オンサイト試験と試験サイト(電波暗室など)では、試験方法が異なりますが、試験の本質自体は同じです。

 

6. イーエムテクノロジーのサービス

イーエムテクノロジーでは、大型機械設備から小型産業機器までEMC試験サービスを実施しております。

大型機械設備については、自社保有の試験機材をお客様先に持ち込みオンサイト試験を行っております。

試験機材も複数保有しており、お客様のご都合のよいスケジュールで試験を行うことが可能です。

小型製品については、弊社提携先のテストサイトまたはお客様ご指定の試験所にて試験を実施しております。

また、イーエムテクノロジーのEMC試験エンジニアは、iNARTE EMCエンジニア/EMCテクニシャンなどのEMC関連資格を持つ経験豊富なエンジニアが対応させて頂きます。

イーエムテクノロジーでは、お客様のご要望に沿った試験業務を行っております。

ご相談ごとやお見積りは無料ですので、お気軽にご連絡頂ければと思います。

 

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【イーエムテクノロジー株式会社 技術部】

 

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