トルコへの輸出にCEマーキングは必要になるの?
欧州CEマーキングの適合支援を行っておりますイーエムテクノロジーです。
今回は、トルコ共和国への輸出に際して、CEマーキングが必要であるかどうか、についてご紹介していきたいと思います。
トルコ共和国は、西アジアと東ヨーロッパにまたがる共和国で、首都は中央部にあるアンカラです。
北には黒海、南は地中海に面しており、西にはブルガリア、ギリシャと、東ではジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン、イラン、イラク、シリアと接しております。
トルコ共和国は、現在はEU加盟国ではありませんが、加盟申請を行っており、加盟候補国として位置付けられております。
EU加盟候補国であるトルコ共和国とEU間の貿易関係では、内部関税及び、数量制限を廃止し、物品流通の自由化を目的として、1995年に、関税同盟が設立されております。
従って、トルコ共和国へ製品を出荷する場合は、EUと同様、「CEマーキング制度」が適用されるため、CEマーキングへの適合が必須となります。
欧州ブルーガイドにおける解説
ブルーガイド2016では、下記のように、トルコに関するガイドラインが与えられております。
(以下、ブルーガイド2016より)
2.8.4. TURKEY
2.8.4. トルコ共和国
トルコとEUは、1995年に関税同盟を締結しました。(EU-トルコ連合委員会96/142/EC 決定No.1/95)
関税同盟の決定では、トルコとEU間で製造された製品、及び農産加工品の貿易をカバーしており、トルコは、全てのEU製品法令との整合を必要とします。
本協定は、EUとトルコ国境での輸入規制を廃止することにより、EU-トルコ間で製造された製品や農産加工品の自由流通を確保することを目的としています。
協定書の第5条から第7条では、第34条から第36条を反映したEUとトルコ間にかかる関税に相当する措置の廃止を規定しております。
協定書の第66条に従い、第5条から第7条は、関税同盟の対象となる製品の導入及び利用目的のために、司法裁判所の関連判例に基づいて解釈されなければなりません。
特に「Cassis de Dijon」の相互承認ケースに注目すべきです。
結果的に、トルコがEU法令に対し、整合が必要になる分野においては、トルコ国内で合法的に製造または販売される製品は、EUにおいても合法的に製造及び販売される製品と同等に扱われるべきであり、輸入規制の管理下に置かれるべきではありません。
トルコがTFEU第34条から第36条に整合している非整合分野においても、同じ理由が適用されるでしょう。
また、協定では、トルコは、CEマーキング要求、通知機関、市場監視、認定、標準化、計量、非整合分野における相互承認など、製品および品質基盤に関するEU法令を採択する必要があります。
1997年に署名された別の協定(EC-トルコ連合委員会の決定No.2/97)では、EU法令文書リストを規定し、関連する工業製品の貿易の技術的障壁の除去、及び条件、並びにトルコ側による運営管理の実現を含んでおります。
本協定の付属書Ⅰは、トルコが協定書の付属書Ⅱにリストアップされた法令を採択した場合、付属書Ⅱに記載されている法令範囲内にある製品に対して、EUとトルコにおいて同じ規則、及び手続きが適用されることを保証するものとなっております。
しかしながら、付属書Ⅱに定められた法令文書の多くは、時代とともに新しいEU指令及び規則に置換えられています。
2006年、EUトルコ協会理事会は、トルコの通知機関(ノーティファイドボディ)の指定と、トルコの当該機関から発行された試験レポートおよび認証書の承認を規定する新たな決定書(1/2006)を採択しました。
両国は、トルコの法令が多くのニューアプローチ指令及び規則に同等であることを確認するという声明文に署名しています。
整合化されていない分野においては、トルコからEU市場に製品を供給する経済事業者の権利と義務は、「他の加盟国市場で流通する製品へのアクセスを容易にする:相互承認の実用化」に関する欧州委員会の解釈指針(OJ C 265, 4.11.2003, p. 2.)に規定されています。
トルコ認定機関(TURKAK)は、欧州認定協力機構(EA)のメンバーであり、EAと多くの相互承認協定を締結しています。
TURKAKの認定を受けたトルコの適合性評価機関から発行された証明書は、EU内に設立されたEU国家認定機関が認定した適合性評価機関によって発行された証明書と同等とみなされるべきです。
標準化の分野では、トルコ標準協会(TSE)は、CEN及びCENELECは、2012年1月1日付けで、正会員ステータスとして承認されています。
このように、トルコ共和国はEUとの関税同盟を締結していることから、EUと同じくCEマーキングの要求が適用されます。