レーザーの漏れ光測定について IEC60825-1

レーザーの漏れ光測定について IEC60825-1

 

レーザーの漏れ光測定について IEC60825-1

*この記事は、2024年05月16日に書かれた記事です。

産業機械の中で使用されるレーザー機器は、IEC60825-1「レーザー製品の安全基準」を満たしたものであることが規格で要求されます。

レーザー製品は、レーザー波長とレーザー出力によってクラス分けされています。

レーザークラスは、クラス1~クラス4に分類されます。

レーザー機器を搭載した産業機械では、オペレーターへの暴露に対し、レーザーの安全性が要求されます。

レーザー機器の電源の断路、運用、取り付けかた、警告表示などの構造面での保護と、レーザーの漏れ光に対して測定による証明を行うことが一般的です。

 

<コンテンツ一覧>

 

1. レーザーの種類

IEC60825-1では、波長範囲180[nm]~1[mm]のレーザー放射を放出するレーザ製品の安全基準について規定しております。

産業機械用途で使用されるレーザー発振器は大きく4つに分類されます。

 

レーザーの種類
種類 媒質 発振波長 [nm]
固体レーザー Nd:YAG, Nd:YVO4 1064
気体レーザー CO2 10600
半導体レーザー AIGaAs/AIGaInP/GaN など 様々
ファイバーレーザー Nd/Yb 添加ファイバー 1000-1150

2. レーザークラス

IEC60825-1は、レーザーの安全性基準について定められており、規格内でクラス分けされております。

クラス分けの基準となるのは、レーザーの「出力パワー」と「波長」です。

主に、目と皮膚に対するレーザーによる被ばくが規定されております。

運転時、保守時、故障などのトラブル時に想定できるレーザーの取扱いを想定して安全性を確認しなければなりません。

レーザークラスは、クラス1~クラス4まで、4つのクラスに分けられます。

レーザークラスの種類について

▶ クラス1レーザー

クラス1レーザーは、直接、長時間レーザービームを観察しても安全とされるレベルです。

ルーペや双眼鏡などの観察用光学器具を使用しても安全とされるレーザー製品を指します。

クラス1レーザーは、本質的に安全なレベルであり、特別な安全対策を行わなくてもよいとされています。

▶ クラス1Cレーザー

クラス1Cレーザーは、主に医療用途(手術や診断)、美容用途(シミ取り、脱毛など)で、人体に照射することを意図して使用されるレーザー製品です。

眼部以外の皮膚や体内組織に直接照射されるレーザーで、皮膚または体内組織への照射時には、照射レベルは高いですが、皮膚または体内組織との接触から解放されると、レーザー放射が停止するか、クラス1以下のレベルに減少します。

▶ クラス1Mレーザー

クラス1Mレーザーは、直接、裸眼で長時間レーザービームを観察しても安全であるとされます。

ルーペや双眼鏡などの光学器具を用いての観察は、危険になる場合があります。

クラス1Mのレーザーの波長範囲は、302.5nm~4000nmです。

▶ クラス2レーザー

クラス2レーザーは、波長400nm~700nmの可視光レーザー製品で、瞬間的な被ばくに対しては安全とされておりますが、意図的にレーザービームを見ると危険であるとされています。

ルーペや双眼鏡などの光学器具を用いても目への障害リスクは増加しないとされております。

▶ クラス2Mレーザー

クラス2Mレーザーは、クラス2と同じく、波長400nm~700nmの可視光レーザー製品です。

クラス2と同様、裸眼でレーザー光を見た場合に、瞬間的な被ばくに対しては安全とされておりますが、レーザー光を凝視すると危険です。

クラス2Mレーザーは、ルーペや双眼鏡などの光学器具を用いてレーザー光を見ると、目への障害リスクがあり、危険とされております。

▶ クラス3Rレーザー

クラス3Rレーザーは、直接、レーザービームを見ると、目に障害が生じる可能性があります。

目への障害リスクが比較的小さいとされていますが、暴露時間と共にそのリスクは大きくなります。

意図的に、目に照射すると大変危険です。

▶ クラス3Bレーザー

クラス3Bレーザーは、直接レーザービームを見ると危険とされています。

目や皮膚に対する偶発的な短時間の被ばくでも、危険とされるレーザ製品です。

拡散反射光の観察は、比較的安全であるとされています。

可燃性物質に照射すると、火災が発生するリスクもあります。

▶ クラス4レーザー

クラス4レーザーは、産業機械では、CO2レーザーなどでレーザー刻印(レーザーマーカー)として使用されるレーザー製品が多く、使用を間違えると、大変危険です。

レーザービームを見たり、皮膚に当たると危険が生じます。

レーザークラス4は、レーザーの拡散光による目への暴露も危険が生じる可能性があります。

また、火災が発生するリスクもありますので、安全措置を講じる必要があります。

3. イーエムテクノロジーのレーザー漏れ光測定サービス

レーザークラスによっては、オペレーターへのレーザー放射に対する暴露についてのリスクを考慮して、レーザー機器を搭載した機械製品の安全性評価、リスクアセスメントの実施、漏れ光測定などを行うことが必要になります。

イーエムテクノロジーでは、産業機械に搭載されたレーザー機器からの漏れ光の測定サービスを行っております。

レーザー装置を搭載した機械構造面の安全評価、リスクアセスメント、漏れ光測定、レポート作成など、幅広い技術コンサルティングサービスを展開しておりますので、お気軽にお問合せ頂ければと思います。

お客様の製品、状況、ご要望に応じて最適なご提案をさせて頂きますので、お気軽にご相談下さい。

 

関連ページ「機械指令(2006/42/EC)--機械安全--」

機械関連コラムはこちら

 

CEマーキングのお問合せ