機械指令(2006/42/EC)に適合するための事前確認について
欧州CEマーキングの機械指令(2006/42/EC)に適合するための事前確認について、ご紹介致します。
機械指令では、リスクアセスメントや、製品の安全構造を機械指令や規格に基づいて、評価/試験を行います。
すでに完成された製品でいきなり機械指令の適合性評価を行った場合、その製品構造上で大きな指摘事項が発覚した場合は、出荷/販売までに機械の改修が間に合わず、納期遅れとなってしまう可能性があります。
過去に何回もCEマーキング評価を行っていて、機械指令に適合できるように設計が考慮されているようであれば、いきなり最終評価を行っても問題はありませんが、特にCEマーキング自体が初めてという場合は、設計中に事前構造評価を行っておくことをおすすめ致します。
機械指令の事前確認って何を行うの?
当社では、機械指令の事前確認として、実施させて頂いている内容は、以下のような2つの業務になります。
事前確認を実施することで、機械指令評価はスムーズに適合することができますので、製品出荷が計画的にできるようになります。
1. 図面確認
設計中の場合は、類似機の図面でも構いませんが、電気回路図、機械の外観図(機構、可動部等が確認できるもの)、部品リスト、油空回路図、空圧回路図などの機械関連図面をベースにした「図面検証業務」を行っております。
当社にお送り頂いた関連図面を確認しながら、機械指令や規格への適合性を検証致します。
また、図面ベースでは詳しい確認が行えない場合においても、機械装置に関わる可能性があると考えられる要求項目については、要求項目と確認が必要となる項目について、ご報告させて頂いております。
この段階では、設計が完了していない場合がほとんどですので、作成途中の図面や類似機種の図面を確認しながら、作業を進めていきます。
図面検証業務では、主に以下の様な資料をご準備して頂きます。
・電気回路図(使用配線の径や仕様を含む)
・電気部品リスト
・電気部品配置図(盤内/盤外共に部品の配置場所や配置高さが確認できるもの)
・油圧/空圧回路図
・油圧/空圧部品リスト
・機械図面(機械の寸法や設置高さ、その他安全柵等の寸法も含む)
・機械のマニュアル(設置マニュアル、操作マニュアル、メンテナンスマニュアル、サービスマニュアル等)
これらの図面を基に機械指令への適合性確認を進めて行き、事前に問題点を洗い出し、最終適合性評価までに対策を盛り込んでいきます。
2. ご訪問による実機構造確認
具体的に製品に適合ノウハウを盛り込んで頂くために、試作機や類似機による実機構造評価を行っております。
既に生産している類似機種、または国内やEU圏以外に販売している類似機などを基にして、構造確認を行っていきます。
小型製品であれば、当社にサンプル機をお送り頂き、評価を行う事も可能です。
製品の構造確認、製品の動作、強度計算、リスクアセスメントの実施、非常停止やインターロックといった制御システムの安全関連部の確認、マニュアル等の図面作成に必要なこと等を相談させて頂きながら、当社技術者が作業を進めていきます。
構造確認業務の主な実施作業は以下の通りです。
<機械部分に対する構造確認>
・機械装置の動作を確認し、規格を基に可動部などの危険源を確認していきます。
・リスクアセスメントを行い機械に潜在するリスクを洗い出し、リスク低減方策を考えていきます。
・強度計算、必要な安全距離等をご相談しながら進めます。
<電気部分に対する構造確認>
・機械に適用される電気安全規格を基に、評価を行っていきます。
具体的には、各電気部品の適切な使用、メインブレーカー、感電に対する安全対策、過電流/過負荷保護、保護接地、制御機能、スイッチ、部品の配置、メンテナンス、配線径や可とう性/配色など、ラベル、マニュアル・・・といったことを評価していきます。
・安全制御機能について、EN ISO 13849-1及びEN ISO 13849-2(制御安全関連規格)に基づき、PLr(要求されるパフォーマンスレベル)の確認や現状の回路構成のカテゴリ確認、及びPL算出の為のMTTFDやDC、CCF等の確認や計算を実施します。
機械事前確認の後の業務の流れ
当社から事前確認の結果について、ご説明と報告書を提出させて頂いております。
規格要求に合致するように、製品設計に反映し実機製造を行って頂き、最終評価を行っていくという流れになります。
最終評価では、規格に基づく実機確認評価/試験を行います。
事前評価を含め、CEマーキング適合までに必要なことやスケジュールを含め、お見積り等、ご相談下さい。